MHRNOTE

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関西CVPRML勉強会で知見を広げてきた

こんばんは、ミハラです。 10/4(土)に大阪府立大i-siteなんばで行われた「関西CV・PRML勉強会(@kansaicvprml)」へ初参加してきましたので、その感想をつらつらと。

内容

今回は、CVPR,ECCVで発表された最新論文の紹介を通して、 普段の研究・開発分野とは異なる技術について知る機会にしようという趣旨だそうです。

4名の発表者が最新論文についてプレゼンすると聞いてワクワクしていたのですが、 色々あって*1発表することになってました。

以下に概要をば。

発表1

最初は@lachesis1120さんによる領域分割をめっちゃ早くやろう! というCVPR2014の論文*2のご紹介。

領域分割計算を高速に行うために、求めた領域から効率よく物体候補を算出するGroupingアルゴリズムの提案で、 画像ピラミッドを生成し、いろんなスケールでの領域分割を行い、別々に一般的な手法で領域分割を行って、「だいたいこのへんが境界だろう」という情報を統合してから、詳細な分割を行うというのが概要だったように思います(合ってますかね?)。

ただやっぱり情報量が増えるので、固有ベクトルの計算を高速化してあげようというのがすごいところだそうで。

発表2

続いては@progranateさんのご発表です。手ブレ画像を復元する技術はすでにありますが、縞状アーティファクト(リンギングと呼ぶ)が発生してしまいますが、それを検出して綺麗にしてあげましょう! という論文*3のご紹介でした。

デコンボリューション自体は色々な手法があるわけですが、この論文では検出に重点を置いていたようで。 なぜ手ブレを除去するとリンギングが発生するか、どうやってそれを取り除くか、などの説明がわかりやすくて、お手本にしたい発表だと終始感じておりました。

あと、ECCV参加記がとっても面白かったです。

(ヨーロッパではSuperdry 極度乾燥(しなさい)という洋服ブランドが流行っているとか)

発表3

我が師匠(勝手にそう思ってる)田中さんのご発表は、プロジェクタでパターンを投影してあげると測距・法線・BRDF計測など色々なことができますが、プロジェクタの被写界深度が浅いため、限られた領域でしかうまく測定ができないという問題や、半透明物体のようなものの測定誤差を改善しよう! という論文*4でした。

パターン投影で3次元復元をしようと思ったら、やっぱり半透明物体は距離推定の誤差が大きくなるわけですが、この手法ではそういうミスを減らしてあげているようで、結構正確に推定がなされていてびっくりでした。

発表4

私の発表でした。 ライトフィールドを取得して、邪魔な遮蔽物を消してしまおう! という論文*5の紹介をさせていただきました。

発表5

@beat_itudeさんのご発表で、 写真に写っている人が着用している服などをピクセル単位でラベリングしてあげよう! という論文*6のご紹介でした。 ICCV2011で提案された進化版SVMみたいなやつ*7を適用していたりと 最新技術ゴリゴリでしたが、わかりやすく解説していただき、機械学習系に関して知見が深まりました。 しかし、結果として示されていた衣服推定精度はすごいと感心せざるを得ませんでした。

まとめ的な

聴講した感想

皆さんわかりやすくご発表していただいたのですが、やっぱり自分の数学力・機械学習系の知識の無さで、全てを理解することができなかったというのが正直なところです。 しかし、確実に知識の裾野は広がったなというのが感想です。 最適化・固有値問題・(余裕があればPR・ML)について理解を深めていかなきゃと感じました。 (追記) データ項+スムースネス項のエネルギー最小化問題が定番手法になってるので、使いこなせるようにならなきゃ……

自分の発表

発表者がDホルダー、D学生で私だけM1だったので、皆さんと比較して発表の質は低かったなと感じました。 やっぱり論文中の数式が全然追えてなかったのですが、あの場では皆さん気になるところだったかと思いますので、ちゃんと理解して説明するべきだったなというのが心残りです。

その他

懇親会たのしかったです。色々ごちそうさまでした。

最後に

次回も参加します! (発表するかは未定)

あと、記事に掲載した発表概要に誤り*8があればぜひ教えていただきたいです。

*1:太陽の塔の近くの研究室から怪電波を受け取った

*2:P. Arbelaez, et al. , "Multiscale Combinatorial Grouping", CVPR, 2014

*3:A. Mosleh, et al., Image Deconvolution Ringing Artifact Detection and Removal via PSF Frequency Analysis, ECCV2014

*4:S. Achar, et al., Multi Focus Structured Light for RecoveringScene Shape and Global Illumination, ECCV2014

*5:T. Yang, et al., All-in-Focus Synthetic Aperture Imaging, ECCV2014

*6:W. Yang, et al., Clothing Co-Parsing by Joint Image Segmentation and Labeling

*7:T. Malisiewicz, et al., Ensemble of Exemplar-SVMs for Object Detection and Beyond, ICCV2011

*8:10.6 一部修正しました